犬の社会化と学習方法の名称【16】
犬の社会化
社会行動パターンを身につけていく過程のこと。社会関係のマナーやルールを学ぶ。社会的な発育。
社会とはそれぞれの種によって異なり社会化の内容も進み方もそれぞれの種によって異なる。
社会化が起こる時期
社会化に失敗してもあとから訓練によって再度学習させることができるが犬の場合成犬からの社会化はかなり難しく長期に渡る場合が多い。
動物の性質や行動は、遺伝的要素と環境的要素によって形成される。
臆病、攻撃的といった犬の性格は、遺伝の影響を受けるが、その犬の子犬の時期における社会的経験の有無が重要。
社会化期=生後3週齡前後から12週齡前後→時期が重要だが、この前後の時期も重要
多くの犬たちや人と接する機会が豊富だった子犬は、将来、外交的で友好的な犬になる傾向がある。が、それが怖い経験や嫌な経験だった場合は、怖がりの犬になってしまう。社会化期に、他の犬や人と良い経験、楽しい経験する機会を多く作る
ことが大切。また、その経験が少ない犬は、他の犬や人に対して臆病・攻撃的・友好的なふれあいが出来ない犬になる。
オオカミ
兄弟や母犬を通して、自分がオオカミであること、仲間はオオカミであること、他のオオカミに対してどう振る舞うべきかを学ぶ。
犬
人間も仲間であること、飼い主である人間及びそれ以外の人間に対してどう振る舞うべきかを学ばなければならない。
社会化期の前半で犬の社会化。後半では人間を含む多種の動物との社会化が促進しやすい。
幼い頃の怖い経験やストレスは、一生残ることがあり、生涯にわたって情緒不安定や不安、恐怖反応、攻撃性につながること
がある。どんな嫌な経験も可能な限り避けるべき。
犬の気質や個性を見極めながら、無理をさせないように配慮しつつ、社会化のトレーニングをすることが大切。
行動の成熟=小型犬→1歳から1歳半。大型犬→2歳。
テリトリー意識や自立心が芽生え、無駄吠えなどの問題行動が目立つようになる。
この時期に問題行動によりトレーニングの依頼が多くなる。
学習=動物の個体が特定の環境条件に合わせて、行動パターンを獲得したり変形させたりすること。生得的な行動の変形が学習の限界で、生得的な行動を根本から変えることできない。
学習の7つ
慣れ=短時間しか継続しないので、同じ刺激がしばらくないと、すぐに忘れてしまう。
古典的条件付け=有名なパブロフの犬→ベルの音と餌とを同時に与え続けられることによって、犬はベルの音を聞いただけで唾液を流す。
オペラント条件付け=自発的な行動の結果によって特定の反応が強化されていく。成功=報酬が得られるが繰り返されることに反応が強化される。
遊び
遊びを通して獲物を捕食する行動を学習する。
観察学習
同種の仲間の行動を見て真似る能力を持っている。
同種だけでなく、他種の行動を真似ることもある。
洞察学習
自分の置かれた状況の中から目的に合わせて問題を解決する。
刷り込み
個体が特定の生理的な発育段階にある期間にしか成立しない。
刷り込みによって獲得された知識は、生涯を通じて保たれるが、一般的な学習は忘却が伴う。例)一度母親を認識したら忘れることは無い。